日本地震学会広報紙「なゐふる」教室でできる地学実験シリーズ 05th Apr.2016,25th May2017,26th June 2017(改訂) 

ANB地震計の製作 の関連ページです.これからここに関連資料や製作のノウハウを記述します.

(なお,このサイトは参考サイトであって,メーカーなどのサポートサイトではありません.
工作がうまく行かない場合も筆者は何の保証もできません.また質問の問い合わせをいただいても
すぐに回答が可能でもありません.その点はなにとぞご了承ください)

yossi.okamoto<at-mark>gmail.com

<更新記録>

26th June 2017 夏休みの自由研究のテーマ探しでこられた方へ を載せました.
25th May 2017 HPの移動を行いました(改訂)
05th Apr.2016 ダウンロードプログラム(Processing用)のバグの対応,回路図,波形データなどを載せました(最新).
12th Jan. 2016 第3回連載対応の写真やメモを載せました.
23th Oct.2015:百均アンプからArduinoへの接続のメモを載せました.
このページの下

地震計の一般的な原理などについては,以下のサイトが参考になります.
http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/sec9.1.html


夏休みの自由研究などで来られた方へ(26th June 2017)

 
夏休みの自由研究のテーマ探しでこのサイトに来られた数少ない読者の方に,ANB地震計の製作記事では書ききれなかったことを補足します.何かの参考にしてください.

<観測場所>

 畳の上などは避けて,できるだけ硬い地面からの震動が直接伝わる場所にした方が小さな地震まで検知することができます.
具体的には,コンクリートやタイルの床の上(玄関や,物置など)が一番適した場所です.電源があって風通しが悪ければ好都合です.ANBの地震計は風に弱いからです.
マンションの高層階などでも,逆に建物による地震の揺れの増幅や減衰を観測できるのでやってみる価値はあります.この場合もできるだけ上記の場所に置きましよう.
※地震計を友達と一緒に作って,条件の異なる場所で観測したり,少し離れた場所で同じ地震を観測すると,その波形から建物や地盤による揺れの違いや,3ヶ 所以上の観測点なら地震の震央を決めることもできます.そして子どもたちや中学・高校生によるそういった研究はあまり今までみたことがないので,よい自由 研究のテーマになると思います.

<感度を上げるためには>

 地震を捉えることができることがわかると,やはり遠くの地震やより小さな身体に感じないような地震を観測したくなります.そのためのいくつかのアドバイスです.
コイルを巻くときにはできるだけ,コイルの巻き数を増やしましょう.ただし下記の図にあるようにあまりコイルの幅を大きく取らないほうが,磁石の磁界が強 くなって,より感度が高くなります.またネオジム磁石は強力なのでくれぐれも取り扱いには注意してください.小さな子供さんなら指などの骨折の可能性もあ ります.
さらにネオジム磁石は強力なので,鉄のL字金具に取り付けるときに,極性が逆でもくっついてしまいます.せっかくコイルをはさんでもそれだとあまり感度が 出ないことになります.方位磁石などで左右の極性が逆になっているかを必ず確かめてください.方位磁石のないときは,スマホの方位磁針アプリが同様に使えます.スマホはとても便利ですね.

  

<aruduinoなど電子回路の取り扱いについ
て>

 高校生の指導をしているときに,Arduinoの基板の裏側を素手で平気で何度も触る人がいてびっくりしました.こういったICを用いた基板は静電気に とても弱いということを知らないみたいですね.この基板に限らず,製作記事に載せたICの回路などをさわるときにはくれぐれも静電気に気をつけましょう. 私はさる教材コンテストの審査で20年ほど前に最初の自作地震計を出品したとき,審査会場のフロアに豪華なじゅうたんが敷いてあって,そのじゅうたんの静 電気で増幅回路の第一段目のICが壊れたことを経験しています.幸い審査前でしかもテスターもなく,勘で一段目のICだと踏んでそれを交換して事なきを得 ました.
 IC回路は静電気で簡単に壊れるということは経験しないとわかりません.またそういったトラブルも経験して初めて解決策を自分で見いだせるようになります.ぜひそういった経験を積んで成長してほしいなと思っています.
 またArduinoはUSBだけからの電源の供給だと,結構記録にノイズが入ります.下にその波形例を載せます.このページのだいぶ下の方にも同様の記載があります.



この波形の下の方が,ArduinoにUSBのみの電源供給を行ったときの,信号が入らない状態での波形です.結構なノイズが載っていることがわかりま す.これはArduinoの黒い外部電源入力端子に7〜12Vの外部電源(ACアダプタ)をつなぐことで解消されます.確かめてみてください.なお外部電 源はAmazonなどで1000円未満で買えるはずです.センタープラスのものを買うのを忘れずに.

<簡単な地震計の外国での製作例>

 最近はArduinoの親戚である,Raspberry Piを使った地震計なども考案されてきています.こういった簡単な地震計を製作して学校などで地震を観測する試みは現在,英国などが結構熱心に行っていま す.地震国である日本であまり熱心でないのはとても残念ですね.下記に参考サイトを記しておきます.
http://www.bgs.ac.uk/discoveringGeology/hazards/earthquakes/schoolSeismology/seismometers/raspberryPi.html

http://www.bgs.ac.uk/schoolseismology/



<自由研究としての力の見せ所>

 地震計は振り子と震動センサと減衰器があればどのような形のものでも構造上考えることが可能です.見たことのないような地震計を作ることができます.ぜ ひ挑戦してみてください.また自作の地震計で外国の地震などの記録が取れるようになると,がぜん地球内部のことにも興味がわいてくると思います.地球科学 の分野は地味なので,あまり挑戦者も少なく自由研究としてはやりがいのある分野です.特に地震や地球内部の研究は専門家以外ではあまり行われていないので,中学・高校での面白い自由研究のテーマができるかも知れません.健闘を祈ります.



§.訂正や3ch用アンプ基板回路図,波形資料追加(2016年4月5日)

地震計の波形表示,データ保存用のプログラムにバグがありました.
前のバージョンだと,保存されるテキストデータが1行ずつ空いてしまいます.新しいバグを取ったバージョンは以下です.
ANB_ch1_v2.pde

下記の観測には,ANB地震計の記事のアンプを少し改良したプリント基板のバージョン(3ch用)を用いています.回路図は以下のとおり.(プラスマイナ ス12〜15VのOPアンプ用電源が必要です).外国の地震を主に観測するには,回路図の積分定数をもっと大きなものに変えます.具体的には水色のマー カーの部分のコンデンサを大きくします.より長周期の波をとらえやすくなります.抵抗値の組み合わせを変えてもかまいません.例えば入力抵抗の100Ωを1kΩに,また水色の部分の20kを200kに変えます.この方が簡単です.

ただしこの場所には必ず両極性(バイポーラ)のコンデンサを用いてください.

※(積分回路のコンデンサを大きくすると)回路図の黄色で書かれたオフセット調整とレベル調整のVRを調整するのがとても難しくなります.
(→この2つのVRを調整して,画面に書かれる波形のゼロ線の位置を調整します.言い換えると信号の平均レベルをArduinoの入力時に2.5Vに持っていくということです).
VRを調整してからその効果が安定するまでにはその時定数の時間(数秒から数10秒)だけ待たないといけないからです.最初のうちは小さな容量
のコンデンサにして,調整のコツを勉強してから積分定数を大 きくすることにチャレンジされた方がいいです.あとOPアンプの倍率が大変大きくなっていますので,ノイズ対策をしないとすぐに発振してしまいます.この あたりはかなりアナログ回路の製作に慣れた人でないと難しいかも知れません.


プリント基板は下記のとおり,



また,宇都宮大学での観測風景と観測データを下に示します.共同研究者の伊東明彦氏(宇都宮大学教授)のご協力によります.

<観測風景>



栃木県北部の地震(宇都宮大学にて観測)(上から上下,南北,東西各成分,スケールは秒)






茨城県南部の地震(宇都宮大学にて観測)(上から上下,南北,東西各成分,スケールは秒)




千葉県東方沖の地震(宇都宮大学にて観測)(上から上下,南北,東西各成分,スケールは秒)





<外国の地震の波形例>

大阪教育大学柏原キャンパスの3階の研究室内での観測.センサは壁際に吊っている.ANB地震計の記事にあるものを踏襲するが,センサの安定性を増やすため,真鍮の錘を付加している(下記写真を参照).また積分回路の定数を変更している(より長周期の波まで積分可能なように調整,倍率も上げている)

水平動2成分が,本研究の簡易センサANB地震計によるもの.上下動はNepalの地震はL-22D(固有周期0.5秒),アフガニスタンの地震ではPK-110(固有周期1秒)をもちいた.P波,S波,表面波のほか,PP,SSなどの位相が顕著に見える.センサの置き方を何度か修正したため,極性の間違いがあるかも知れない.時間スケールは[分].




§連載第3回 関連資料 12


アンプ部は3ch仕様で,長周期の信号まで積分増幅できるように回路を改良してある.この回路図,観測波形などは後日アップします.


§連載第2回 関連資料 7th Oct.2015

とりあえずの説明です.そのうち,画像などで詳しく説明ページを作ります.

なお,ProcessingとArduinoに関しては,下記の九州工業大学 小林順氏のサイトがとても参考になります.

http://jkoba.net/prototyping/

上記の
http://jkoba.net/prototyping/arduino/breadboard.html
にはブレッドボードの使い方も載っています.

<導入などの手順>

Processingソフトダウンロードはここから →2016年4月現在バグが確認されましたので,上の方にあるバグを取ったバージョンを保存してください.(

// data to text file

format = String.format("%04d\n", data);
では1行おきに改行コードが入ります.正しくは改行コード\n
を取り除きます.

これをProcessingで開いて,デスクトップなどに適当な名前で保存します.
//以降はコメントです.

ソフトが勝手に同名のフォルダを作ってその中に入れると思います.ソフトを実行するとデータは同じフォルダに2015というフォルダができて,さらにその中に月と日のフォルダが作られます.
そのフォルダの中に画面の画像と数値をテキストで記録したデータファイルが10分ごとに保存されます.

この数値データを表計算ソフトなどで開いて,地震波形の部分を切り取ってグラフにしてください.

PCの時計をきちんと合わせると,最初に画面に表示される日時からタイムマークを追って,初動時刻などをきちんと読み取ることができます.
タイムマークは10秒ごとに少し大きめになっています.

いろいろとデータを解析する工夫を考えてください.

Arduinoのソフトは記事のものをそのまま貼り付けてこれも,適当な名前で保存します.今回もソフトが勝手にフォルダを作ります.

<エラー対応>
ソフトでは

Arduinoのソフト:com番号が異なるとエラーが出ます。ツールを開いてcom番号を変えて再度試してください.

Processingのソフト:実行してもうまく波形を書かないときは
setupの
  port = new Serial(this, Serial.list()[1], 9600);  
上記行の[1]を2とか0とかに変えてみる.詳しくは下記のサイトを参照してください.

http://tsukutta.hatenablog.com/entry/2013/06/27/190219
ただし上記サイトはLinux環境下でのポートのありかを載せています.Windowsだとcom3とかcom7とかになるはずです.

このポート番号を自動で選ぶ工夫は
http://d.hatena.ne.jp/kougaku-navi/20140715/p1
にかかれています.

Processingのソフトがきちんと働いているときは,Arduinoボード上のTX,RXなどの黄色LEDが3つとも点灯します.1つしかつかないときは何らかのエラーが考えられます.とりあえずの説明です.そのうち,画像などで詳しく説明ページを作ります.

<回路について>

電源の+5VとGroundの配線をくれぐれも間違えないように!ボードの向きで赤と青のサインが記事の画面と逆になっている場合があります!


回路の電解コンデンサの耐圧は電源が5Vですので、10V以上あれば大丈夫です。
入力の電解コンデンサ(100μF)はかならず入力側をマイナスにしてください。

アンプ側は+2.5Vのバイアスがかかるので。

<Arduinoへの外部電源について>
 Arduinoへの電源供給をPCのUSBだけに頼ると,機種により,波形にノイズが乗ることを確認しています.PCやOSの種類によっても差 が出るようですが(Windowsは不安定,Linuxは安定),これを避けるために外部電源端子から外部電源を供給してください.電源は電子パーツ屋で 安いものを売っています.その際電源電圧だけでなく,プラグの寸法と中心の電源正負が合うものを選んでください(中心電極が+で径2.1�个離廛薀阿里發痢�.これ重要です.
http://www.fabxfab.com/?pid=53456245
にも情報があります.

その他,うまく動かない場合は,

コイルの端の塗料を剥がしているか?(テスターでコイルを動かしたときに電圧が発生するかを調べる)

配線が間違っていないか?(特にブレッドボードの+電源と−電源の間にテスターを当てて抵抗値が0になっている場合,どこかがショートしています.この場合つなぐとArduinoが壊れます)

ICが壊れていないか?ICの向きも正しいか?

ソフトウエアが間違っていないか?(→行に余計な全角スペースが1個入るだけでも動きません!)

磁石の極性は互いに逆になっているか?(ネオジムは強いので逆にくっつく場合すらあります!)

電源など配線のチェックは,かならずテスターを手に,経験者に手伝ってもらいましょう!

近いうちにチェックリストなどを作ります.うまく動くように祈っています.


<百均アンプからArduinoへの入力部>23th Oct.2015追記




<追記7/21>

 記事にある,百均のアンプですが,入力と出力を間違えやすいの で注意が必要です.
オスのプラグが出ている方が入力で,メスのソケットの方が出力です.普通は逆なので
これ間違いやすいです!
私は逆に接続してまったく動かず,壊れていると思って,あと2台も買いましするはめになりました(泣).

なお,現在次のアンプやソフトウエアの原稿(次の号)を執筆中です.
できるだけ百均のアンプも生かして,ハンダ付けやプリント基板を極力避ける方向で
簡単に回路が組める方法を模索中です.乞うご期待!



1.センサー部の製作

<材料について>
・隅金は,ホームセンターのコーナンの店頭に置いてある,厚さ4.5mm幅3cm,長さ4.5cmのものを使用しています.
もし見つからない場合は同等品を探してください.なおステンレス製は不可です(磁石がくっつかないので).
磁石はAmazonなどで
・2cmネオジム磁石
で検索すると10枚が1000円程度です.

吊り糸について

・ナイロンテグスの径はあくまで大体の目安です.伸びたりしないかぎりは任意です.使い安いものを使ってください.
また振り子の長さは,できるだけ部屋の中で長く取るほど,遠い地震などの長周期のゆれを捉えやすくなります.
風の影響の少ない場所に吊るしてください.

アクリル加工について
アクリル板の切断は専用のアクリルカッターが便利です(ホームセンターに売っています).
まちがっても普通のカッターナイフなどは使用不可です.
(大怪我をします)
アクリルパイプは,ホームセンターか東急ハンズで各種売っています.記事のサイズはあくまで目安です.
・アクリル板の接着にはアクリル接着材を用いますが,スポイト状の注射器から勢いよく接着材が
吹き出しますので,目に入れないように注意してください.


コイルについて
・コイルの径もあくまで目安です.
 0.2mm〜0.5mm径くらいであれば大丈夫です.
・難しいのはきれいにコイルを巻くことです.
 手巻きでもいいですが,手動ドリルなどを用いると簡単に巻けます(写真は少しお待ちください).

・アルミ板による,振り子の制動(ダンピング)ですが,これは結構難しいです.地震計の振り子の制動理論は結構やっかいで,例えば
宇津徳 治「地震学 第3版」/共立出版などに記述がありますが,中高生には専門的すぎますね.もっとわかりやすい資料を探してみます.しば らく
お待ちください. 

追加写真(2015年7月9日)写真をクリックすると拡大されます.
・手動ドリルを用いたコイル巻取りの様子(別のセンサー用)



・自宅クローゼット内での観測の様子(アンプ製作とPCの計測ソフトは次号予定)


このセンサーによる観測波形(近日公開予定)

<関連資料置き場>
★2014年地球惑星科学連合横浜大会ポスター発表 pdf

なお,既開発の「フィルムケース地震計」は下記です.

http://www.zisin.jp/publications/document04_04.html



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